もうひとつの箱根駅伝
齊藤さん(女性)、栗原さん
09年12月3日
今回は、各大学の探検部が企画した
「もうひとつの箱根駅伝」のご紹介です。
右側の栗原さんは、東洋大学文学部3年、東洋大探検部の主将。
左側の齊藤さんは、拓殖大学国際学部2年、拓殖大探検部隊員で、
「もうひとつのプロジェクト」の会計を務めているそうです。
この、めずらしい探検部隊員の撮影に成功したのは、
拓大の学園祭で、探検部の皆さんのお話を伺ったのがきっかけです。
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■探検部って何をするんですか?
「私は中国の広州に一人で行きました。
天台宗の総本山に、拓殖大の国際学部の友達の家を
渡ったりして行きました(齊藤さん)」
栗原さん「トゥクトゥク(起動音がトゥクトゥクというバイク。
東南アジアに多い)で、
タイ文明が栄えたところを北から南へ歩いた人とかもいます(栗原さん)。
そうゆうことをやるひとが集まるのが探検部ですが、
関東学生探検連盟
に加盟している部が多いです」
■その探検部が行う「もうひとつの箱根駅伝」とは何ですか?
「「もうひとつの箱根駅伝」は、「
もうひとつのプロジェクト」のひとつで、3つの大きなものがあります。
①富士山清掃
②箱根駅伝の清掃
③100kmマラソン
100kmマラソンは、高尾山とビッグサイトの間を
ゴミ拾って走るマラソンで、(昨年の)8月の29日と30日に
すでに挙行されました。ゴミを拾いながら、だらだら走る感じで、
参加者は60名。
スタッフも40名いて、車で移動してゴミを受け取ったりします。
(飛行士は3人だけど、それを支える地上スタッフが
たくさんいるアポロ計画みたいな)
参加者は「ちょうど自分の大学での研究対象だったから」とか
「仲のいい友達の人がやっているから」という理由の人もいて、
探検部以外の人もずいぶんいます。
昨年(2009年)は14大学17チーム出場しました。
12/3現在で80~90人くらいが出場予定です。
それに応援(お祭り)が好きだといって「参加」する人もいる。
応援する人を見て、なんだろうと思った人によってこの活動が
広まるので、応援(だけ)する人もありがたいです。私たち実行委員は、
ボランティアで活動する人に、いい気持ちに
なってもらうために準備をします」
■プロジェクトの目的は何ですか?
「世界を1mm動かすことです。
ボランティアスピリットや人との交流を広めたい。感じてほしい。
それに馬鹿なことをしないと学生が集まってくれないということもあります。
最初から参加してくれている人もありがたいですが、ふつうは来てくれない
ような人に見せたい。「こういうことをやっている」と思ってもらえれば」
■でも探検部がまたなぜゴミ拾いをするんです?
「自然環境が変わると探検部としても困るんです。
山を登っていても、ゴミがひどい。だから富士山清掃、
となったわけです。自分が行ったスリランカはとてもひどい。
瓶とか缶とか捨てれば自然に帰ると思っているかもしれない」
■探検部の合宿はどんな感じですか?
「もし何も食べるものがなくても、生きていける、生きていくための
技術をつかむために無理やり合宿しています。根性がある人ばかりでなく、
最初は強くなくても、探検部に入るとすごく強くなる。
この前、ふつうの学生の中でもシャイだった女の子が、
「一人で山で野宿してしまいました」みたいに言ってました。
合宿や探検は計画を立てて、スケジュールを組み、
緊急連絡の体制図を提示して、大学に報告します。
東洋大の主将として審議して、安全なものしか通しません。
ちょっとでも甘いところがあったら通さない。
そんな探検部は仲間意識が強く、家族みたいですね。
ご想像に反して、女子が多いですよ。拓殖大は30人中6人が女子、
東洋大は4割方女子です。
男だけの探検部を持つ大学もいくつかあります」
■合宿では何をするんですか?
「地図の見方、懸垂下降とかを全員がこなします。
懸垂下降で手袋をするかどうかは好みですが」
■なぜ探検部に?
「べつに探検したかったわけではなく、
探検部の看板に惹かれて行ってみたら、すごく内面的に
おもしろい人ばかりだったので、自分もなりたいと思って(齊藤さん)。
高校でも山岳部でした。大学に入って、ワンダーフォーゲルや山岳部に
入れればいいと思っていたんですが、いくつか見て、一番フィールドが
多かった探検部を選びました。山だけではなく、沢、山、川、穴、
洞窟、無人島、海…(栗原さん)」
■抱負
「年々、未知のフィールドがなくなっています。
「もうひとつのプロジェクト」もそうですが、
探検とは何かを考えながら、新しいフィールドを探して
いきたいと思います」
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さすがは文系。こんな「馬鹿な」ことをみんなでできるの
はすばらしい!!
私も学生時代に100kmハイクをやって死にそうになりましたが、
それをマラソンで走るというのは、まずあり得ない、というのが率直な感想です。
しかも走りながらゴミを拾う?……あり得ない。
こんな人たちが、人類の所有する価値観をひとつひとつ増やして
いってくれるんですね。
東洋大の主将が、部員の探検計画を「査定」して、
危ないものには許可を与えない、と聞くに及び、その馬鹿で真摯な探検に、
私は感動しました。感動したのに、このブログが1/9、10の
「もう一つの箱根駅伝」の開催日に間に
合わなかったことをお詫びします(こういうのも馬鹿で真摯な態度ですかね)。