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東京高専・加藤研の研究の巻



東京工業高等専門学校 加藤研

加藤さん(東京高専准教授)

2011年2月1日

――今日は、東京高専・電子工学科の加藤先生の研究室にお邪魔しました。

 先生のところでは、どんな研究をされているんですか?

加藤さん「窒素酸化物(NO、ノックスとも)を、空気から

除去する研究を行なっています。

空気中で、例えば木を燃やせば、酸素と木の中の炭素が反応してCOが出ますが、

空気中に1000度の高温の条件を作れば、NOは出ます。

燃やす対象物がなくても、空気の成分である窒素が燃焼によって酸素と化合して、

NOとなって出る、ということです。

(空気が燃える、ということになりましょうか)

■NOの研究

最近は様々な「効能」も発見されているNOですが、

環境汚染物質の悪者としてだけ見る時代がありました。

たとえばディーゼル車では、酸素の供給が多いので二酸化窒素(NO)が出ますし、

触媒で燃焼がコントロールされるガソリン車では、NOや一酸化窒素(NO)が出ます。

これらは大気中にあれば有害ですから、自動車NO法で

その排出量が規制されています。

しかし80年代にNOの分析技術が発展し精度も向上、

体の中のNOなどが測定できるようになり、いろいろなことが分かってきました。

たとえばNOを吸うと血管が広がって血圧が下がることが分かりました。

ニトロがまさにそれで、狭心症の薬として使われています。

血管の中で、NOが発生して拡張するのです。

また一酸化二窒素(NO、亜酸化窒素とも)は、

麻酔で使う笑気ガス、つまり吸入麻酔剤として医療現場で使われる一方、

環境破壊物質という側面もあります。

大気中に安定して存在するので成層圏まで昇り、オゾン層まで行って

これを破壊するのです。

その意味では、フロンと同じです。

さらに、COの300倍の温室効果があります。

いい面も悪い面もあるNOですが、これらを除去するために、

NOの様々な性質を考えます。

NO、NOは都会の汚れた空気の要因のひとつで、NOは除去しにくい物質。

Oは安定していて反応性が低い、NOは、液体になりやすい、

NOはあまり水に溶けないが、酸素と反応するとNOになり溶ける、

空気中ではガスだが、吸着剤の中では凝縮していて、液体に近い、等々。

というわけで、加藤研では、NOの浄化がひとつのテーマです。

NOXをOとNに分けるとクリーンになると考えられています。

しかし分けるには触媒が必要で、白金やパラジウムは高価でなかなか使えません。

そこで、これを安価に浄化する研究を進めています。

その一つの方法が、補足しやすいNOを利用して、NOを捕る手法です。

吸着剤に吸着しやすいNOをくっつけると、共吸着の効果でNOが捕れるのです。

これを発展させて、吸着剤にNOの代わりのものをくっつけても、

NOがとれるのではないかと類推していったところ、

実際、SOをくっつけてもNOはとれました。

金属の銅をうまく使った先生もいました。

ただ銅は、錆びてしまうので、再生させてリユースしなくてはなりません。

手術室の空気浄化を目的に、NOについても、除去方法の研究を進めたいと

思っています。

濃度が低いので、やはり吸着剤が有効です。

■資源問題の研究

地球環境のNOも大切ですが、

10年前に物質工学科から電子工学科に移ったのを期に、

資源問題にもチャレンジしています。

有用な金属をパソコンや携帯電話などの様々な電子基板からリサイクルするもので、

安価な方法で回収できないかと考えています。

最近では都市鉱山として注目されています。

■分離技術

NOにしても金属リサイクルにしても、「分離技術」がキーワードですね。

有害物質を除去し、有用なものを取り出す。

10年前は「吸着」をメインに考えていましたが、

最近は「吸着、結晶化、蒸着、抽出、ろ過」など、吸着と一緒に、

他の技術も使う方向です。

編集委員をしている「分離技術」誌も参考にしてみてください。

相平衡、蒸留、ガス吸収、吸着、抽出(超臨界流体抽出を含む)、

晶析といった技術に基本があることが分かっていただけると思います。

ここで使われる「分離操作」は、物質の性質(物性)の違いや、

温度や濃度の差を利用して分離する、というものです。

物質同志の親和性や相互作用を利用します。

また吸着剤は目的とする溶液に入れますが、その溶液中の成分が、

吸着剤と溶液のどちら側で安定なのかといったことも大切です。

吸着は、水の中、アルコールの中、酸の中などでは効果が異なり、

場が変わると、一度吸着剤に吸着された物質も脱離したりしますから、

これを利用すれば吸着剤の再生にもつながります。

■技術者はいまから海外に目を向けよう!

いまは、高専の卒業生も大勢海外に行く時代です。

私の同期の者も、30人中5人くらい、中国や東南アジアなど海外に行っています。

エンジニアは世界中の工場に行って技術指導をする時代に、すでに入っています。

でも今のままでは日本人のエンジニアは「技術の知識はあるが何も知らない」と

言われるかもしれません。

様々な文化や価値感、宗教の異なる人々とチームを作ることだってあるでしょう。

なのに高専生は技術の勉強ばかりしている。

歴史や政治も学んで、幅広い視点を持って、いまから世界に行く準備をしておきましょう」

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  • Posted by コーディネーターズ at 15:49Comments(0)学校・学生・就職活動

    東京家政学院大学でのロボット治験の巻

    ■1■ロボット治験・パペロのお願い(東京家政学院大学)



    東京家政学院大学
    前列左から中村さん(東京家政学院大学・非常勤講師)、吉川さん(同教授)、

    小野さん(同教授)、市原さん(同教授)

    後列左から飯谷さん(東京家政学院総務課課長)、大中さん(NEC)

    2010年11月24日

     今日は、パペロのロボット治験のプレゼンです。

    「ロボットを使う幼児教育」の可能性に、総務課の飯谷さんが、すぐに紹介くださり、

    飯谷さんが集めてくださった先生方も、ロボットが役に立つかどうか分からない状態で

    興味を持っていただき、この後の、1カ月もしない期間の授業で

    二度も「実験」を行なっていただけることになりました。

     先生方の瞬発力に、少し驚きました。

    ■2■ロボット治験・パペロのプログラミング実習(東京家政学院大学)



    東京家政学院大学

    左から大中さん(NEC)、小暮さん(同)、田尻さん(東京家政学院大学助手)、

    市原さん(同教授)、中村さん(同)、吉川さん(同教授)ら

    2010年12月1日

     NECから、プログラミングのコーチの小暮さんが来て、

    みんなの前で、パペロの言動のコーチ&プログラミングをしてくれました。

    先生たちから、「もう少しそこのイントネーションはこうならない?」

    などといった要望がたくさんあり、小暮さんも汗をかいていました。

    でもそのおかげで、ほぼ完成に近いプログラムが、この日にできてしましました。

     クリスマスバージョン授業のプログラムもあり、

    最終的には、小暮さんと田尻さんの間で、何回もやり取りを行い、

    小暮さんは、もう一度プログラミングをしに来てくださったそうです。

    ■3■ロボット治験・パペロの実施1(東京家政学院大学)



    東京家政学院大学プレイルーム

    幼児グループの実習

    2010年12月8日

     今日は、東京家政学院大学で、幼児十数人と親、学生、教員によって

    行われている幼児グループ実習で、

    ロボットのパペロが子どもたちに、どう受け入れられるか、

    パペロが「お片付けをしましょう」などと言った場合、

    子どもたちは、保育者がピアノを弾いて伝える場合とどう違うのか、

    などの観点から、「ロボット治験」が行われました。

    一言で「行われました」と言っても、

    ロボットを使うことをお母さんたちに説明し、理解を求め、

    場面場面のプログラミングを行ない、

    使う音楽についてはパペロに録音しと、とても大変です。

    ■4■ロボット治験・パペロの実施2(東京家政学院大学)



    東京家政学院大学プレイルーム

    幼児グループの実習

    2010年12月15日

     今日は、クリスマスにちなんだ実習で、

    サンタクロースのお爺さんが登場し、

    子どもたちがみんなプレゼントを受け取っていました。

    パペロの存在に1回目より親しみを感じ、

    「片付けられるか見ているよ」というパペロの声に、

    片付けを見守ったり、励まされたりする子どももいたようです。

    ■5■ロボット治験・パペロの新年のロボット研究会(東京家政学院大学)



    東京家政学院大学

    左から、小野さん、大中さん(NEC)、吉川さん、田尻さん

    2011年1月19日

     今回は、12/8と12/15に行われた幼児グループの実習を受けて、

    幼児教育におけるロボットの効果などが話し合われました。

    ・ロボットが集団の中の人間同士をつないだり、

    三者関係を作るのに役立つ可能性がある。

    (ロボットに「もっと早く起きなさい」と言わせれば、

    お母さんが口やかましく言う必要もないし)

    ・2、3歳の子どもは、(外界に対し)アクションを起こし、その応答を見て、

    またアクションを起こす、というサイクルで興味を覚え成長するので、

    ロボットの応答が大切。

    ・ミラーニューロンで、他人に同調する機能はどう影響を受けるか。

    ・予想外にふるまうロボットを見て、「すべて自分が悪く、自分の責任」と

    落ち込む人の思考パターンを変えていくことに、好影響?

    ・子どもを見守る存在としての機能が面白い。

    などなど、こんなことに役立ってくれればという事柄が、並びました。

    一方、子どもが相手なので、

    ・ロボットの隙間に手をつっこんだり、投げ飛ばす恐れがあるので、

    人間が誰かついていなくては。

    ・触るとロボットが反応するエリアがよく分からない。

    結論的には、もっと使ってみたいのだけど、

    本格的に使うとなると、おカネもかかるし、なにがしかの助成金が出れば、

    ということだったと思います。

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  • Posted by コーディネーターズ at 23:05Comments(0)学校・学生・就職活動

    舘中学校+拓殖大学=出張ものづくり教室の巻 2010



    電磁ブザーの製作

    館中学 西川副校長 数学の先生、英語の先生、学校サポーター

    森きよみ先生(拓殖大学准教授)

    拓殖大学工学部機械システム学科の学生(主に4年生)さん

    2010年10月28日

     今年も、拓殖大学工学部による出張理科教室が、館中学で行われました。

    昨年同様、なかなかブザーの鳴らない人、すごく小さな音で鳴らす人、

    妙な音になる人、鳴ってもすぐ止まってしまう人などなど、いろいろな生徒がいました。

    長い銅線がこんがらがって、ほどくのに20分かかる子も二人、

    両方とも男子生徒でしたね。

    女の子の方が、手先が器用で落ち着いているかもしれません。

    でも、最終的には、やはり全員鳴ったようです。

    今回はこの授業に参加されていた、いろいろな先生方へのインタビューをお届けします。

    ■副校長の西川先生(本来は英語の先生)

    ――館中学からノーベル賞は出ますか?

    奇抜なアイデアは出ないのではないか、と思います。

    みんないい子、ふつうの中学生ですから。

    これをやってはいけない、これはいいという判断ができる。

    家と学校によるしつけがきいているんです。

    よその学校のように、非常に悪いということはない。

    ものが壊されているということがありません。

    みんな仲がいい。それは一クラスしかないからです。

    彼らは中学の2年間、小学校から8年間、ひょっとすると幼稚園から、

    同じクラスの同級生としてやってきました。

    小さな学校ですから、高校に行くと、今度はかなり違和感を感じるようです。

    先生も知らない、周りも知らない、勝手が違う。

    現在のような規模の小ささだと、校長も副校長も、生徒の顔をみんな知っています。

    彼らの親の顔も知っている。

    ■数学の先生

    ――八王子からフィールズ賞が出そうですか?

    中学の数学では才能は分からないですね。

    高校にならないと分からない。

    図形や初歩の代数といった中学の数学ができたからといって、

    高校の数学が伸びるとは限らないし、

    高校数学を、他人から教わっているようではだめでしょう。

    むしろ中学では、国語の読解力が重要です。

    理解する能力があれば、自然と力は伸びていく。

    ■英語の先生

    ――日本人も英語でコミュニケーションがとれそうですか?

    本人が必要とすれば、できます。モチベーションしだいです。

    できない、とあきらめる人の原因は、トレーニングしないから。

    「英語は体育」が私の信条です。

    野球のバッティングと同じで、実際に何度もやってみないと分からない。

    通常の英会話なら、中学英語とトレーニングで十分です

    (高校はもっと高度なことをやっている)。

    ■学校サポーター(最近の学校では教職員以外に、「サポーター」がいるそうです)

    ――一子どもたちに交じって、一緒に授業を受けられていますね。

    私は市の「学校支援サポーター」です。授業を子どもたちと一緒に受け、

    彼らについて、学校の副校長先生と話しもします。

    週に一回、「心の教室(ふつうの大きな教室)」にカウンセラーが来ますが、

    週にもう一回、カウンセラーではありませんが、

    子供の相談にのるボランティアのサポーターが、その教室にいる日があります。

    話に来てくれる子が何人かいて、子供の事情が分かります。

    私にも子どもがいますから、子供の心理に触れられるのもいいですね。



    森先生

    今年はSPP(サイエンスパートナーシッププロジェクト、文科省の事業)を

    取得できなかったので、八王子市の「教育支援人材バンク」に

    登録してくれた学生がボランティアで参加してくれました。

    ブザーキットの部品代は拓殖大学が支援金として出してくれました。

    去年と同様、このイベントは準備が大変です。

    またSPPが取れなかったので、事前準備には、謝金が払えず、

    サイエンスボランティア愛好会の学生たちにやってもらいました。

     でも実際に、館中学に来たのは、この時間中に授業のない4年生。

    準備と実際にやる人が違うので、最初は少しドタバタしていました。

    ■学生さん

    ――何を目指しているんですか?

    A君:技術営業がしたい。もともと数学が好きでした。

    B君:自動車の部品メーカーに決まりました。

    C君:僕、拓殖大OBです。

    D君:まだ未定です。

    E君:マレーシアから来ました。母国に帰ってエンジニアをやりたいです。 

    ■中学生

    ――何が難しかった?

    女の子:はんだ付けが細かいところだったので。

    男の子:とくに難しくなかった。

    男の子:(銅線を)巻いて組み立てるのが難しい。

     皆さん、インタビューへのご協力ありがとうございました。

    ぐるぐる巻いた銅線に電流を流すと鉄をひきつける。

    たしかに不思議な現象です。

    仲がよくても悪くても、それを不思議だと思ってくれる子がいれば、

    きっと優れた科学者が登場する、と思いました。

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  • Posted by コーディネーターズ at 18:15Comments(0)学校・学生・就職活動

    学園祭へGO! 造形大の巻



    東京造形大学

    学園祭(学生自主製作展)

    2010年10月22日

     JR相原駅から、スクールバスで数分。

    歩いても15分くらいのところに、東京造形大はあります。

    上の写真に写る山の、向こう側です。

     昨年の多摩美もそうでしたが、

    美大のお祭りはやっぱり楽しそう。

    ビジュアルだし、音楽でも盛り上がるし

    女の子たちのファッションもグーです。

     とくにこの造形大では、新校舎CS-PLAZAが完成し、盛り上がっているようです。



    この写真が、そのCSプラザで開かれていたファッションショーです。

    開いているのは、サークルのステラ(STELLA)。

    ここは、学校の方針と同様、テキスタイル(織物、布地)中心のサークル。

    ファッションデザインを行なうサークルではないそうですが、

    学園祭などでは、学生モデルなども募集して、ファッションショーを行なうのだそうです。

    このCSプラザのスペースも感じがいいし、

    ヘアスタイルも含めたファッションもなかなかだと思いました。

    ウォーキングをもっと頑張れば、プロにも負けないと思います。

     もっとファッションデザインに力を入れているサークルは、別に

    グラマー(GLOMOUR)というのがあり、

    こちらは、映像や舞台、衣装、などを総合したものを目指しているそうです。

    ファッションショーの受付の女の子は、両方に所属していると言っていました。

     ステラの男の子の1人は、

    「渋谷にある桑沢デザイン研究所がファッションを担当していて、

    もっとそっちとコラボしたい。でも学校の方針で分けられている」と言っていました。

    せっかく美大に、テキスタイルとはいえ、ファッション系が

    ある(芸大や多摩美にはないそうです)んですから、

    きっぱり分けてしまうのは、私ももったいないと思いました。

    ファッションが今後の日本の輸出産業の有力候補だそうですし。

    たとえば製販一体のユニクロは、ファッションデザインと素材のデザインを、

    距離的に遠くに分けないような気はします。。。

     桑沢デザイン研究所については、先日、日経新聞の文化欄に

    学園理事長による、創設者とその歴史についての文章が載っていました。

    日本にできたデザインと名のつく専門学校の最初だそうです。

    歴史と伝統があるんですね。

     CSプラザ自体は、らせん状のスロープが、吹き抜けの周りを取り囲むようにあり、

    ずいぶん高い建物ですが、登って行ってもまったく疲れを感じません。

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  • Posted by コーディネーターズ at 19:14Comments(0)学校・学生・就職活動

    八王子がわかる事典と中学生の巻



    齋藤統括校長先生

    八王子市立第五中学校

    2010年9月27日

     八王子がわかる事典(八王子事典から改名)の取材を、

    中学生にお願いできないか伺いに、八王子市立第五中学校の校長先生、

    齊藤さんのところにお邪魔しました。

    ――「職場体験」という、現在、各中学校で行われている「授業」の記録を、

    一部ブログにしていただいて、「八王子がわかる事典」の執筆に、

    中学生に関わっていただくことはできないでしょうか。

    齋藤さん「中学生の職場体験は、体験期間が1週間と長いし、

    また知っている職場は限られます。

    1週間も、受け入れてくれる職場を探すのも大変ですが、

    受け入れてくれるその職場も、数が少ないがゆえに、

    一社で毎年何校も受け入れていただいている現状があります。

    「事典」という前に、職場体験自体がとても大変です。

    一方で、職場体験以外にも、中学生が大学の研究室に関わる機会は、

    中学生向けのオープンキャンパスや、進路相談、地理の授業の地域調査など

    いろいろありますし、新聞クラブなどのサークル活動なら問題は少ないでしょう。

    そちらも検討されてはいかがでしょう。

    それから、教員はとても忙しいですから、

    中学生が書くブログのセーフティとチェック体制、

    この諸手続きが別途しっかり確立していれば、

    可能な学校もあるのではないでしょうか」

    ――「研究室の取材」についてはいかがですか?

    齋藤さん「中学生にとって、大学の研究室は難しいけれど、

    たとえば各地のお菓子屋さんをブログで紹介するのは、

    諸手続きさえ整えば、お菓子屋さんも喜ぶし、いいと思います」

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  • Posted by コーディネーターズ at 16:29Comments(0)学校・学生・就職活動

    第3回「八王子未来学」ニューFD/SDセミナーの巻

    第3回「八王子未来学」ニューFD/SDセミナー

    「教職協働」と「大学間連携」の持続的発展

    八王子生涯学習センター

    2010年9月3日



    最初の基調講演を行われた小田さん(山形大学教授)は、

    「大学間連携による持続可能なFD/SDのありかた」がテーマで、

    やはりパワフルでした。

    「自分の大学を一番知っているのは自分たちだが、あらばかりが目立つ。

    でも、相対化して自分の大学のよいところ・強みを発見するために

    大学連携がある」とおっしゃっていました。



    2番目の伊藤さん(慶応義塾大学准教授)の講演は、元みずほ総研の

    人だけあってスマートで、「大学連携、産学連携、地域連携の

    多層的な連携による大学教育改革」がテーマでした。

    「国からのカネに頼らずに、持続可能にするのが大切」とも。



    午後の講演は、「教職協働の必要性と進め方」をテーマにした、

    遠山さん(神奈川工科大学教授)のお話でした。

    「学生は客ではなく、資産。また、教員、職員はレベルが同じで、

    役割が違う。バラバラに頑張ったので進まないので、

    一つの目的に向かって、協働することが大切」とおっしゃっていました。

    そのあとの分科会では、筆者は第2分科会に出て、小田さんのワークショップでしたが、

    魅力的な、個性的な、また大学連携のためのFDSDは何かを討論しました。

    「ワークショップ」ですから、参加者がワークするわけですが、

    3分間という時間を区切って、自己紹介、自分の所属する大学の紹介、八王子の紹介、

    最後にグループごとに討議した大学連携のアイデアの紹介を行っていきます。

    八王子共通の図書館や合同箱根駅伝チーム(3月のSDFDでも出ましたが)を作れば、

    といった意見もあり、盛り上がりました。

    小田さんから、「八王子ゲーム」を作ってはどうか、というアイデアも出ました。

    SDFDを、もっと産業界を巻き込んだり、また学生を巻き込んだりすれば面白い、

    というまとめもありました。

    アイデアはいっぱいあり、あとは、

    小田さんのようなエンジンになってくれる人がいれば、ということかもしれません。

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  • Posted by コーディネーターズ at 13:30Comments(0)学校・学生・就職活動

    城山中学の中学生が東京高専の研究室を取材するの巻



    城山中学校の中学生の皆さんによる高専研究室取材

    鈴木校長先生と城山中学校の生徒の

    秋山くん、大岡くん、佐々木くん、城定くん、鈴木幹くん

    黒崎先生と黒崎研の皆さん、斉藤先生と斉藤研の皆さん

    東京高専 黒崎研、斉藤研

    2010年8月21日(土)

    東京高専deサイエンスフェスタ2010の初日に、

    八王子市立城山中学校の鈴木校長先生と5人の生徒さんが、やってきてくれました。

    今回は見学ではなく、研究室の「取材」をしに来てくれたのです。すごい。

    上は午前11時に、まず訪問した黒崎研での取材の様子です。

    デジカメを片手に、鉄の引っ張り強度試験を撮影し、

    黒崎先生や黒崎研の皆さんの説明を聞いているところです。



    一言で黒崎研と言いますが、マレーシアからの留学生の方がいたり

    やさしく説明してくれるFさんがいたりと、当然ですが、いろいろな人間の集まりです。

    そこで行われた鉄の引っ張り強度試験の結果、

    この写真のように、鉄筋がドーンという音とともにちぎれる瞬間を目撃しました。

    詳しいことは、近く出来上がってくる彼らの記事に委ねましょう。



    高専の多目的室で、彼らが持ってきた弁当で昼食を済ませたあと、

    13時より斉藤研の研究室にお邪魔しました。

    ここは流体を研究しているところだそうです。

    斉藤研のこの(後半の)2枚の写真は、中学生が撮ってくれたものです。

    先月の千種先生の撮影講義が生きているんじゃないでしょうか。

    撮っているのは、部屋全体の様子ですね。

    下の写真は、水撃ポンプといって、無動力で水を揚げる、揚水する機械だそうです。

    中学生記者からは「慣性が利用されているんですか?」という質問が出ていました。

    い~ですね~。うまい説明がされなかったところに、

    斉藤先生が「もちろん、すべてに慣性はあるんだから、利用しているよ」と

    応えてくださり、みんななんかい~感じでした。



    城山中学生による取材は、現在製作中の「八王子事典」もとい、

    「八王子がわかる事典」の記事を中学生の皆さんに

    書いていただくことはできないでしょうか、という提案に対し、

    鈴木校長先生が、面白い、やってみましょう、と快諾されて、行われたものです。

    今年は暑い夏でした。サイエンスフェスタの日もいい天気でした。

    鈴木先生、城山中学校の皆さん、本当にありがとうございました。

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  • Posted by コーディネーターズ at 23:13Comments(0)学校・学生・就職活動

    オリンパスわくわく科学教室 de 東京高専サイエンスフェスタ



    東京高専 de サイエンスフェスタ 八王子未来学ブース

    2010年8月21日(土)、22日(日)

     今年も「東京高専でサイエンスフェスタ」が行われました。

    昨年は豚インフルエンザの影響で二日目が中止になりましたが、

    今回は無事取り行われました。

    3回目の今年は、来場者数も2千400人となり、地域に根差してきた感があります。

    その「東京高専 de サイエンスフェスタ」の「八王子未来学」ブースで、

    下記の4つの演目が行われました。

    ●「立体映像や光の不思議な現象」(オリンパス)

    立体豚や人工虹、偏光現象などの催し物

    ●「ロボットと話そう」

    創価女子短大のお姉さんたちとNECパペロ

    ●「考えて動くロボット」

    高尾1号のデモンストレーション

    ●「純心大学シアター」

    純心女子大のお姉さんたちによる人形劇

    そう、今年はオリンパスの皆さんが参加してくたのです。

    昨年、城山中学で行われたオリンパスのわくわく科学教室

    面識をいただいた黒沢さんが中心になっている完全ボランティアの「移動教室」。

    この日は、槌田さんと中村さんが来てくださいました。

    二人とも部長だったり、チーフエンジニアだったりのオリンパスの重要人物です。

    この日は、これとは別に城山中学の皆さんが来てくださって、

    そちらに回っていたので、私は下の豚の写真しか撮れませんでした

    (上の写真は東京高専さんからいただきました)。

    う~ん、これも昨年から続く豚の因縁なのか。

    せっかく来ていただいたのに、

    お二人の写真も撮れずに、豚の写真を撮っただけだとは。

    ブロガーとしてとても残念です。

    輸入品に押されている日本と世界の医療機器市場で、

    オリンパスの製品が売れ続けることをお祈りいたします。



    ちなみにこの豚、本物は黒い鍋の中にある豚人形の(虚像ではなく)実像です。

    でも、たしか、レンズで見る実像ってスクリーンを立てて見たように思うし、

    スクリーンも立てずに見る実像の豚が、こんなにはっきり見えるのは…分かりません。

    光を豚に当てると、光が鍋の中に入って、光った豚がちゃんと現れている。

    もし、この「直射日光に鏡をさらすな」と警告してある黒い鍋を大きくして、

    中に等身大の豚を入れると、目の前に等身大の豚が現れるんでしょうか。

    そいつが、もし少し動いたりすると、不気味でしょうね。

    でも不気味な等身大の幻の豚を目の前でつかみ損ねたら、

    少年少女は皆、理科系に、それも光学系に進むんじゃないかしら。。。

    ただ、高さ3センチの豚を1mにすると、

    鍋の直径も30センチから10mになるでしょうから、

    ちょっとね~。

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  • Posted by コーディネーターズ at 23:26Comments(0)学校・学生・就職活動

    中学生のためのカメラ教室の巻



    城山中学校

    鈴木くん、城定くん、佐々木くん、鈴木校長先生、

    千種さん(東京工科大学准教授)、大島哲二さん(カメラマン)

    2010年7月16日

    八王子事典(仮)に載せる記事を、中学生に取材してもらうために、

    工科大の千種先生に、城山中学に乗り込んで、

    「取材スクール」を開いていただきました。



    心配そうに見ている鈴木校長先生、

    そして写真には写っていませんが副校長や理科の先生に

    生徒を集めていただきました。

    千種先生が呼んだ、プロのカメラマンの大島さんも登場、

    「目から鱗」の授業が行われたのであります。

    中学生も含めて皆さんお忙しい中、大変だったはすですが、

    内容はすばらしいものでした。

    たとえば、下の写真2枚は、同じ段ボール箱を撮ったものですが、

    近くから撮る場合と、遠くからズームを使って大きくして撮る場合で、

    奥行きの方向の距離感がこんなに違うんですね。



    今回は、文章の書き方ではなく、デジカメ写真の撮り方講座でしたが

    千種先生が、プロジェクターと紙の資料で、

    このようなズームを使った距離感の出し方や、

    フラッシュのオンオフ方法、被写体以外に焦点を当ててからずらすぼかし方、

    動くものをデジカメで撮る場合は少し先回りしてシャッターを押すことなど、

    多彩で役に立つノウハウをいくつも教えていただけました。

    また大島さんには、光の当て方で人の顔の深みや表情が全然違うこと、

    撮る角度で被写体の雰囲気がガラッと変わることなど、

    人物写真のプロのノウハウを直接教えていただきました。

    はっきりいってこの授業、すごく役に立ちます。

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  • Posted by コーディネーターズ at 18:39Comments(0)学校・学生・就職活動

    未来スクールはちおうじ第三回の巻



    第三回「未来スクールはちおうじ」

    学園都市センター12階セミナールーム

    2010年8月14日

    猛暑の中、「夏休みの自由研究を、大学の先生がお手伝い」という触れ込みで、

    40組80名ほどの親子が集まりました。

    午前と午後の2回に分かれ、

    ①「キッチンでできる化学実験」(薬科大 渡辺先生、成井先生)

    ②「まわしてみよう! ギリギリガリガリ」(拓殖大 渡辺先生)

    ③「しゃくとり虫型ミニロボットを作ろう!」(拓殖大 森先生)

    ④「透けて見える、小さな命。ミジンコの顕微鏡観察」(薬科大 高橋先生)

    の4つが行われました。

    ①の「キッチン~」は、昔リトマス試験紙でやった酸性、

    アルカリ性のチェックが、グレープジュースの色の変化でも、

    できてしまうというもの。

    (私たちのお腹の中の酸性度も、もしかしたら分かる?)

    ②の「ギリギリガリガリ」は、木をガリガリこする振動が伝わって、

    木の先につけたプロペラを回す回転運動に変わるというもの。

    ③の「りゃくとり虫型ロボット」は、筋肉の働きをするバイオメタルを

    取りつけて電気を流すと、くの字型の「ロボット」がたしかに歩きだしました。

    ④の「ミジンコ」は、顕微鏡でミジンコの心臓を見て、アルコールを入れる前後の

    鼓動をカウント。酔っ払って拍数の増えたミジンコの様子を、

    体を透かして確認する感じでした。



    子どもたちは一様に「楽しかった」と言ってくれました。

    親ごさんも楽しそうでした。

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  • Posted by コーディネーターズ at 20:17Comments(0)学校・学生・就職活動

    八王子事典の巻 その3 城山中学校編



    八王子市立城山中学校

    鈴木さん(城山中学校校長)

    2010年5月19日

    ―八王子事典をネット上に作るにあたって、大学や高専の研究室を

    中学生に取材していただけないでしょうか。

     とくに今回は東京高専なんですが、

    ロボット大会に出場したロボットや、校庭を歩きまわっているヤギなど、

    中学生が興味を持ちそうな研究がたくさんあります―

    鈴木先生「大学や高専の研究室を中学生が取材するというのは、

    基本的に面白いと思います。

    うちの中学校でも、生徒の職場体験というのがあって、

    中学生3年生が、取材を含めた体験をしています。

    ただ、中学生に、研究室を取材する力量があるかどうか、不安です」

    ―その点では、「取材の講義」をしてくださる先生方がいます。

    中学生に記事の書き方や写真の撮り方などを教えてくれるはずです―

    鈴木先生「取材の講義も取材も夏休み中がいいですね」

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  • Posted by コーディネーターズ at 20:53Comments(0)学校・学生・就職活動

    南大阪地域大学コンソーシアムの巻



    多摩永山情報教育センター

    第2回「八王子未来学」ニューFD/SDセミナー第3分科会 「大学連携」

    2010年3月15日・16日

    ―3月の半ばの二日間、永山の研修センターで

    八王子未来学ニューFD/SDセミナーが開かれました。

    泊りがけで、いろいろな分科会に分かれて討議が行われましたが、

    その中の南大阪コンソーシアムのコーディネーター難波さん(写真)の講演から、

    南大阪地域大学コンソーシアムがうまくいっている理由について、

    まとめさせていただきました。

    難波さんは、有限会社ダブル・ワークスの代表取締役で、

    南大阪地域大学コンソーシアム統括コーディネーターです。

    2001年に大学や学会を知的にサポートする

    大学発ベンチャー・ダブルワークスを設立され、

    今では大学と地域をつなぐコーディネーターの役割が中心になっているそうです―

    ■1■うまくいっている理由

    ●理由1 事務局運営を企業に委託

    この会社は、大学や学会のサポートすることを目的に設立されたベンチャーです。

    当時は、全国初の女子大発ベンチャーとして注目されました。

    ふつう、大学コンソーシアムは大学の事務局が運営しますが、

    南大阪では、大学関連の「企業」に事務局運営を委託しています。

    このような事例は他にはあまりありません。

    この企業が、様々な事業運営の中心的役割を果たしており、

    委員会の運営、事業実践のほか、産官学地域連携で重要なコーディネータの役割や、

    国や自治体の補助金や公募事業に対して申請書類を作成したり、

    事務処理を行っています。

    事務局には、委託企業のほかに専任職員がおり、

    大学と連携しながら一体となった運営を行っています。

    企業が行うことで、特定の大学に与することなく、

    こういった仕事に長期にわたって継続的に責任を持ち続けられる利点があります。

    (学生は数年経てばいなくなるし、大学や市の職員は自分の仕事に追われています)

    ●理由2 窓口の1本化

    この地域の大学に対する依頼の受付として、窓口を

    大学コンソーシアムで一本化しています。

    言い方を変えれば地域の「ヨロズ相談所」です。

    ●理由3 研究者データベースあり

    地域の大学の研究者データベースがあり、大学の先生の名前と

    研究内容が検索できます。

    これは、小さな大学でも地域貢献に参加できる可能性を広げるということを意味します。

    小さくても大学の外との窓口ができ、産学官地域連携の

    促進につながる、ということです。

    ただ、知の連携のテーマは難しいですよ。

    ●理由4 学生主体で使い勝手よく

    南大阪のコンソーシアムは、学生が主体です。

    学生がチームの大切さを学びながら、企業と真剣勝負する場でもあります。

    それは、企業からの依頼の案件で、そのおカネを学生に支払っているからです。

    企業も、おカネを出している以上、100点でないとOKを出しませんから、

    学生も真剣になります。

    取組みによって支払われる金額は変わりますが、例えば、

    ブレーンストーミングなどへの参加は2時間で5千円です。

    成果は卒論に使ってもいいという方針も奏功しています。

    そういった真剣さが、学生国際ショートムービー映画祭商談会オークションで、

    企業が学生を落札する、という結果にも結びついています

    このようにすべての事業を学生中心に行っていて、結果的にですが、

    「人づくり」にもなっていました。大学からの期待が大きい部分です。

    こういった育て方が、うちのコンソーシアムと組む事業を

    増やしているという側面もあります。

    ●理由5 受託収入を高確率で獲得

    収入の内訳は、(自治体、経産省や文科省などからの)受託収入が9割です。

    残りの10%は、各事業会社負担、コンソーシアムの事業収入、

    会員収入、となっています。

    背景には、現在までのところ自治体や国などの事業を高確率で受託できている、

    という事情があります。

    でも、事務局運営をどう充実させ、安定した運営費をどうねん出するかは、

    大きな課題です。

     ―また「うまくいっている理由」以外にも、

    難波さんはいくつもの重要なことをおっしゃっていましたが、

    その中から、「コンソーシアムの副産物」や「連携を円滑に進める方法」

    「大学連携とコンソーシアムの違い」などについても、

    箇条書になりますが、お伝えします―

    ■2■効果と副産物

    ●知的資源の共有

    ひとつのプロジェクトに各大学の学生を集めることで、知的資源を共有できる。

    ●窓口一本化の効果

    小さな文系大学の先生にも、コンソーシアムを通じて研究費を渡せる。

    ●異文化交流

    学生同士の交流促進で相互に刺激あうことができる。

    ●授業への効果

    コンソーシアムで育んだ知的資源(各種講座、効果測定、ユニークな

    人材育成プログラム等)を大学の科目に還元することでができる。

    ■3■温度差のある大学同士を連携させて円滑に進める方法

    以下のように、大学連携が大学にもたらすものを明確にして説得する

    ●デメリット

    ・競争相手とやらなくても、一人でやる方が簡単。

    ・他の大学とは文化が違う。

    ・他の大学(の先生や事務は)何を考えているか分からない

    ・連絡が大変。

    ●メリット

    ・10大学でやれば1/10のコストで済むので効率的。

    ・一人でやるより大勢でやった方が、スケールメリットがある。

    ・異文化交流あり。

    ・全体であたることが必要な共通の課題と、

     各人があたれば済む固有の課題を区別することができる。

    ・社会的信用が増す。

    ■4■大学連携とコンソーシアムの違い

    ―現在、八王子が目指している連携には、学学連携や産学(官)連携があって、

    大学のシーズと地元のニーズを結びつける、という産学連携も

    八王子未来学に課されていましたが、

    八王子未来学や大学コンソーシアム八王子が目指している

    連携のメインは、学学連携です。

    しかしその学学連携の中での「大学連携」と「大学コンソーシアム」を、

    明確に区別したことはなかったように思います。その点について、

    難波さんは整理してくださっています―

    ●大学連携

    ・大学に内在している。

    ・分担したり、合理化することで「引き算、掛け算」の発想になる。

    ・地域の知の拠点の確立を目指す。

    ・経営の効率化の実現を目指す。

    ●大学コンソーシアム

    ・大学に外在している。

    ・大学の人材や研究をつなぎ合わせる「足し算」の発想。

    ・地域の学術機能の向上。

    ・産学官、地域の連携推進を目指す。

    ●大学とコンソーシアム事業のそれぞれの特色

    ・アカデミックな大学⇔社会との接点を演出するコンソーシアム

    ■5■なぜ大学コンソーシアムが必要か(結果としてということでもある)

    ―そのうえで、なぜ、大学コンソーシアムが必要なのか、を難波さんは問うています―

    ・大学に対する社会の期待が大きくなった。

    ・社会が多様化。複雑化する中、ひとつの大学でできることが限られてきた。

    ・大学単体での体力が相対的に弱体化。→経営効率化SD

     ―いかがでしょう、難波さんの6倍速の講義についていくのは大変で、

    とても内容の濃い講演だったのですが、今回はその一部を紹介させていただきました。

    整理してみて、その重要性に気付いた次第です―

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  • Posted by コーディネーターズ at 20:54Comments(2)学校・学生・就職活動

    ロボコンフォーラムの巻



    清水さん(東京高専機械工学科准教授)

    平成22(2010)年2月26日

    ――今年(平成22年)の1月21日に

    高専ロボコンフォーラム」を開催されたそうですね。

    「はい、高専でロボットコンテストを行いますから、

    その大会を通じて、せっかくできた交流を生かさない手はないと」

    ――どなたが音頭を取られたのですか?

    「水谷校長先生です。

    参加されたのは、高専のロボコン指導教員80人くらいと、

    NHKエンタープライズのロボコン事務局の人たち、

    競技専門委員、機構本部理事、機構本部事務局の皆さんなどです」

    ――フォーラムのきっかけは、どんなことだったんですか?

    「水谷校長が、昨年10月の鶴岡大会で

    「ロボコンフォーラムしようか」とおっしゃったんです。

    先生の集まりを企画しようじゃないかと。



    ロボコンは、写真中央の清水優史先生(東工大の名誉教授、

    ロボコンの生みの親の森政弘先生<『「非まじめ」のすすめ』の著者>の

    後を継いでいる先生)がいまの中心です。

    鶴岡に競技委員が集まったとき、

    競技委員長をしていた水谷校長から

    「競技委員の意見の吸い上げをしたいので、4月にテーマを発表しましょう。

    5月にアンケートをしますから、アンケート項目を出してくれませんか」

    とおっしゃって、私がやることになりました。

    で、そのアンケート項目に私が

    「集まりがあるといいですか?」と入れたんです。

    ロボコンでは、同じ高専の先生といっても、

    大会の最中は相手が競争相手ですから、口をきかない、

    手の内を見せたくない、合戦のさなかです。

    それじゃあと別の機会に情報交換会をやろうということにしたわけです。

    最初は反応がなくて30人くらいでした。

    すると、校長先生が、「30人では失敗だ、どうする、清水さんの責任だよ」って。

    そんなわけで、メールを出し、返事のない人や期限の迫った時に、

    手分けをして電話をしました。

    そうこうやっているうちに、102人、ほぼ全員が集まりました」

    ――苦労されたことは?

    「校長と逆算して決めた記念撮影の段取りが変わったことです。

    夕方になってしまい、それでは暗くて写真がきれいに写らない。

    そこで急きょ変更して、写真撮影を講演の直後にするようにしました」

    ――楽しかったことは何ですか?

    「長年おつきあいしていた、同い年くらいの先生方、

    定年で退官間近の先輩の先生方に「楽しみにしている、期待している」と

    おっしゃっていただいたことです。

    複数の方からメールでお便りをいただきました。

    私たちは同志で、同じ志で同じ悩みを持っているんです。

    そんな皆さんと人間的な心の交流ができて、それがうれしかった。

    ずいぶんお会いしていなかったりしましたから」

    ――フォーラムを開かれた意義はどのようなことですか?

    「みんなで集まるこういった取り組みで

    大会の事例の模範例を集めて、それを皆さんに知らせることで、

    ロボコン全体のブレーンストーミング的なものができ、

    各校のいい取り組みやノウハウが他の高専へ波及して、

    全体の底上げにつながればいい、と思っています」

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  • Posted by コーディネーターズ at 21:02Comments(4)学校・学生・就職活動

    「やる気の経済学」と「教育」の巻



    鈴木さん(明星大学経済学部准教授)

    八王子学園都市文化センター11F(多文化学習室八王子の撮影で)

    2010/1/18

    「シドニーで経済学を学びました。それが私の原点です。

    研究は理論経済学(ミクロ)で、人が一生懸命働く、また、

    人に懸命に働いてもらうにはどういう仕組みが必要か、

    動機づけを含めたそのメカニズムデザインを研究しています。

    一言で言うと「やる気の経済学」ですね。

    「やる気の経済学」は、経営者と労働者にやる気を起こさせることを

    テーマにした「経済学」ですが、「教育」に置き換えると、

    先生と生徒の両方にやる気を出させるにはどうするか、

    ということになります。

    私は明星大学の教員ですから当然、教育、

    とくに国際教育に興味を持っています。

    国際教育というと、日本人が外国語を話せるようになることが強調されますが、

    八王子で学ぶ留学生や日本語を母国語としない方々と共に

    快適に暮らしていくという視点も重要だと思います。

    その「教育のやり方」=ティーチングメソッドも、これからのテーマです。

    私の研究室は日野キャンパスにありますが、

    青梅キャンパスもいいですよ。

    芸術家を育むのに適しているようにも思います。

    青梅のキャンパスに通う明星大学生のうち、自宅と下宿は半々かな。

    下宿派は立川あたりに多いですね」

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  • Posted by コーディネーターズ at 14:55Comments(0)学校・学生・就職活動

    明星の学生起業家によるカフェの巻



    藤村真子さん(写真左、建築学科4年)と松田玲奈さん(心理・教育学科4年)

    明星大学 Star Shops★ を「起業」した二人

    平成22(2010)年2月12日

     明星大学・日野キャンパスの藤村さんと松田さんのお二人は、

    2年生のときに知り合い意気投合、学生起業家となって、大勢の先生方を説得、

    明星大学内の12号館に進化型cafe「Star Shops★」をオープンさせました。

    最初はノープランで、「何かやりたい」という気持ちだけがあったそうです。

    松田さんは、ふだんから身近にボランティアがあったので、

    受け身ではなく、ボランティア以上の何かで、

    社会に積極的に貢献をしてみたかったそうです。

    藤村さんは、当初からフェアトレードをやりたかったそうですが

    やはりボランティア以上のものを、探していたそうです。

    先生に何をやりたいか考えなさいと言われて、

    松田さんは、お母さんと「カフェがいいね」と話しあった。

    それが藤村さんのフェアトレードカフェと一致した。

    本当の「フェアトレードカフェ」としてのスタートは、

    今度の春が来てからだそうですが、

    お二人は、明星大学の学内での「起業」に成功しました。

    その「成功物語」は、インタビュー記事として近日中にお伝えいたします。



    今回は藤村さん直々に、ブログ「ボランティアによろしく」に投稿していただきました。

    http://yoroshiku.tamaliver.jp/

    (このブログは、ボランティア関係の皆さんに共通のパスワードをお渡しして

    ご自分で書き込んでいただく企画です)

     彼女たちの話を伺っていると、「NPO法人やまぼうし」の

    皆さんの協力なしには、カフェは成り立たなかったようで、

    そのお仕事を取り仕切っている高橋はるみさんにもお話を伺いました。



    が、詳細は、また今度お届けします。

    とりあえず、明星大学のお二人が開いたカフェで、

    明日、「ドッグセラピー」が行われるそうですので、

    そのお知らせも兼ねたブログと今回はなりました。

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  • Posted by コーディネーターズ at 18:46Comments(0)学校・学生・就職活動

    学生と市長とのふれあいトーク



    学生と市長とのふれあいトーク

    That‘s八王子学 ~学生が提言するまちづくり~

    平成21年12月12日(土)午後2:00~

    学園都市センターイベントホール(八王子スクエアビル12階)で

    主催八王子市,共催大學コンソーシアム八王子により開催され、

    7大学10件の提案がありました。今回で4回目とのことですが、

    黒須市長になって八王子市には周辺地域も含め23の大学等があり、

    11万人もの学生が学ぶ学園都市でもあり、

    大学等の研究成果や知的財産を市のまちづくりに活かそうと始めたとのこと。

    当日はコメンテーターとして黒須市長、コーディネーター・審査委員長

    八王子学園都市大学学長、明治大学大学院教授である青山氏が

    進行役も務め活発な提案が始まった。

    レアメタルの回収、公園利用活性化等の環境問題から始まり,

    大学生の食生活、フエアトレード商品の使用、他国から学ぶまちづくり、

    八王子のシンボルとしてのイチョウの利用、八王子バスツアー、

    20年後の八王子の美容室、IHクッキングヒーターの活用による高齢者支援、

    大學コンソーシアム八王子の活動など、どの提案も八王子のことを考え、

    八王子をますます良い街にして行きたいという気持ちの

    こもった提案であり、あっという間の2時間でした。

    その中で見事最優秀賞に輝いたのは創価大学経済学部西浦ゼミ

    「資源循環型社会をつくる学生のまち”八王子”」と

    なりレアメタルの回収の提案でした。

    続いて優秀賞には杏林大学外国語学部遠山ゼミと

    工学院大学建築都市デザイン学科倉田研究室が選ばれ、

    アイデア賞にサレジオ工業高等専門学校電子工学科産業応用研究室、

    プレゼンテーション賞に創価大学工学部丸田ゼミが選ばれ

    市長より賞状が贈られ素晴らしいひと時が演出されました。

    過去3回までの提案で「ゴミ袋への防災情報の掲載」、

    「湧水マップ」や「子ども向けの食育の冊子」の作成が

    市民生活に直結するとのことで表彰され実現化されました。

    大学と先生、学生さんの八王子を思う気持ちが

    こういう形になっているものと、感謝の意に堪えません。
      


  • Posted by コーディネーターズ at 14:44Comments(0)学校・学生・就職活動

    大学コンソーシアム八王子の学生発表会の巻


    (第三セミナー室発表会場。「言語情報を用いない音声変換システムの開発」)

    大学コンソーシアム八王子 学生発表会

    平成21(09)年12月5日

     八王子の大学・高専生の研究発表会が、

    大学コンソーシアム八王子の主催で、学園都市センターでありました。

    ■三枝さん(大学コンソーシアム)

     学生の発表会は、とても評判がよく、

    現在はこの学園都市センターでやっていますが、

    人通りの多い所に場所を移すなど、いろいろな企画を考えています。

    ■岡戸さん(大学コンソーシアム)

    「大学コンソーシアムが主宰する「学生発表会」は、

    学生の「日頃の研究」「企業への提案」「地域の活性化」の三つがテーマです。

    ゼミと研究室単位で出展しています。

     賞を取ると就職活動に使えますし、今回は中高生の審査員20名も参加しています。

    いろいろな見方で評価されると同時に、学生にとっても実際に役に立つ、という発表会です」


    (もちろん芸術系の発表も)


    (各部屋での分科会発表が多いが、パネルで発表する場も)

    ■牧野さん(ユーキャン(株)技術部)、

    「学生の発表を見に来ました。

    ユーキャンとしては、高専さんと一緒にやっている研究もありますし、

    八王子の大学と企業の研究部門が一緒にやればいいと思います」

     昨年、大学コンソーシアムの設楽さんが、

    「学生の発表会に企業が来るようになっていて、

    これが発展していけばとても面白いと思います」とおっしゃっていました。

    まさに、その通りですね。

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  • Posted by コーディネーターズ at 14:40Comments(0)学校・学生・就職活動

    「ボランティアによろしく」をよろしく、の巻



    09年12月3日

    八王子ボランティアセンター

    大島さん(主査)

    今日は、大島さんにお願いをしにやってきました。

    学生や社会人ボランティアの人が、自分で日記や自己紹介をアップするサイト

    「ボランティアによろしく」のトップパッターを務めてください、

    というお願いです。

    この、「八王子未来学-旅の途中」は、コーディネーターが書くブログですが、

    「ボランティアによろしく」は、ボランティアの方や、

    私のようなボランティア未満の人に

    共通のIDやPWをお伝えして、書きこんでいただければというサイトですが、

    やはりなかなか難しい。

    学生さんが、なかなかつかまらないというのが12月の状況でした。

    伺ったメルアドも、急に使えなくなったりするし、

    この3月に卒業する人も何人もいる。

    大島さんがおっしゃっていましたが、

    学生さんとの関係が切れてしまう、というのはよく分かりました。

    それに、「ブログを書いてくれ」とお願いすることの難しさもあります。

    皆さん、忙しいですからね。

    大島さんには、その趣旨にすぐに賛成していただいて、

    お忙しいのに、目の前で第一回のブログを書いてくださいました。

    http://yoroshiku.tamaliver.jp/

    何が起こるか分からない時代に入っていますし、

    ボランティアの紹介や連絡が取りあえるサイトができれば、

    い~な~と思った次第です。

    皆さんのところに伺ったら、この「旅の途中」とともに、よろしくお願いいたします。

    な~に、簡単ですよ、ブログなんて。

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  • Posted by コーディネーターズ at 18:08Comments(0)学校・学生・就職活動

    自律走行ロボット in つくばチャレンジ その2



    つくばチャレンジ2009
    (完全自律走行ロボットによる公道に用意されたコースの完走を目指すチャレンジ)

    多羅尾さん(東京工業高等専門学校機械工学科准教授)、

    山内さん(同機械工学科5年生)、江口さん(同機械工学科5年生)

    2009年11月20、21日

    (前回からの続き)

    ■トライアル(予選)突破!

     高尾1号の番が来た!

    来た!と言ったって、何ができるわけでもない。

    うっかりロボットに触ったら失格だ!

    「スタート!」っていう声が響いて、スイッチを入れて、

    あとは1号の後をついていく。審判も観客もいる。

    あそこの段差は要注意、うまくプログラム通り避けてくれるか?

    ピコ、ピコ、ピコ、ピコ・・・・。おじさん、近づかないで!

    ピコ、ピコ、ピコ、ピコ・・・・。

    たまった落ち葉につっこまず、ピコピコピコピコピコ…。おーーーっ。

    長―く感じたけど、ゴールイン!

    なんだかんだ言いながら、初出場でトライアル突破!

    ゴールしたあと、続く本走行のコースをそのまま試走。

    この茂みでは右に行き過ぎ、おっとここはポイントが少しずれている…。

    過去のGPSデータ(9/11)を使ったポイントの設定のし直し。

    プログラムも。壁からどのくらいのところを走るか、修正しよう。

    明日の本走行に向けて、筺体のカドを覆う、

    めくれかかっている黄色いゴムを直して、ねじの締め直し。

    スタート順は、当日に発表されるから、それまでは分からない。



    (トライアルの成績。東大や名古屋大、中国の大学も来ているし、産総研、NHK、日立といった顔ぶれも)

    ■初日の全体の感想

    同じようなメカ好きの人間が集まったという印象はある。

    みんな高専の学生の雰囲気と似ている。

    超有名な企業や大学が10人近いチームで参加しているところが多い中、

    高専は先生を入れて3人。多羅尾先生は、当日、主催者側の仕事に回ったので、

    実質二人。けな気だ。感動するね。

    しかも、GPSで設定する最初の2ポイントの間を高専の敷地内で

    走れるようになったのは、11月4日。それからまだ16日目で、

    2週間ちょっとしかたっていない。動くようになってから数えても1ヶ月。

    未来学の予算をつぎ込んだんだ、と言う浅野先生も、

    その事実を聞いて「え~! そうなの?」って驚いていた。

    トライアルでは、五分のスタート制限時間をいっぱいに使っても出発できない

    チームや、かなり時間をかけて出発するチームが続出し、時間が押していった。

    トライアルで出場66チーム中34チームが残った。

    6分29秒は16番目くらいの記録。スピードを競っているわけではないけど。

    去年は1kmの本走行での完走が1チーム。さて、今年は?



    (下部の駆動系をはずして緊急に修理中!)

    ■トラブル!

    本番2時間前。試運転中に突然、ガクンと急停止するようになった。

    大変だ。先生も入って、緊急修理。どこが悪いんだ、分からない。

    リセットするしかない、どうしよう、時間がない、

    でもデータを書き留めておけば10分でデータを回復できる、

    と山内くんが提案し、よしそうしよう、となって、リセット、

    しかし、おー、動く、これは、直った。30分ほどで。

    原因は不明、でも「たぶん、バッテリー端子のネジがゆるんでいた」。

    直ったけど…上り坂のときに、おかしな音がする(江口くん)。。。でもやるしかない!



    ■出走

     そんなこととも知らず、司会の女性がマイクで

    「ゼッケンが18番、出走順も18番目、縁起がいいですね!」

    山内くん「はあ…。頑張ります!」

    スタートは調子よし。いつも通り、ピコピコ言いながらゲートを出る。

    最初のポイントで、ちゃんと右に曲がり、直進していった。これはいけるぞ!



    (この写真は未来学のサイトからいただきました)

    でも、30mほど行ったところで高尾1号、立ち止まる。

    ピコッ、ピコッと鳴ってはいたので、コンピュータはいつものように、

    状況確認をしているのかと思ったけど、間もなくピコッも言わなくなって、

    20秒たった。動かない。

    「ヒューズが飛んだ」(江口くん)と言って、審判に「だめです」と告げてゲーム終了。

    無念。みんな沈黙。審判も「残念だ」とつぶやいて立ち去る。

    ■原因

    動力系のヒューズが飛んだ。

    さっき解体したときも、ヒューズを確認したんだけど。。。

    うーん、また今度、頑張ろう! …っていうか次の学年の連中、頼んだ!

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  • Posted by コーディネーターズ at 13:11Comments(1)学校・学生・就職活動

    自律走行ロボット in つくばチャレンジの巻 その1

    つくばチャレンジ2009
    (完全自律走行ロボットによる公道に用意されたコースの完走を目指すチャレンジ)

    多羅尾さん(東京工業高等専門学校機械工学科准教授)、

    山内さん(同機械工学科5年生)、江口さん(同機械工学科5年生)

    2009年11月20、21日

    ■■第1日



    ■出発

    11月20日朝、土浦市のビジネスホテルを出発。7:15am。

    途中、多羅尾先生と学生の二人は、コンビニに寄って食料を調達。

    筑波・つくば市の周辺は起伏のない、まっすぐな道の続く見渡す限りの平野。

    東京の北にも、こんなに広くて平べったい土地があるんだ。

    筑波(近辺)育ちの浅野先生によれば、もとは広大な松林だったとか。

    遠くに(唯一の起伏)筑波山がある…。

    8時前に、競技が開催される中央公園に到着。

    今日ここで、ロボットの自律走行の公道でのチャレンジが行われる。



    (東京高専から出場する高尾1号)

    ■高尾1号

    ボディの下部の車輪やモーターの駆動系部分は既製品。

    モーターは中国製らしい。

    体重は60kg台後半で、重さのほとんどがバッテリー。

    前面で目立っているCD板は、雨やゴミを逃れる覆いで、

    丸ければ何でもよかったらしい。

    身長があと数センチ高いとレギュレーションにひっかかるので、

    ロボットが傘をさすわけにはいかない。

    そのCDの下のレンジセンサからレーザーが出て走査、

    だいたい1秒間に3回、周囲を認識する。

    ツノのてっぺんには、2万km上空のGPSから信号を受け取る受信装置がついていて、

    中央には、ウィンドウズメッセンジャーやヤフーメッセンジャーで使う

    WEBカメラがついているけど、これはフェイクだって。

    本当は画像処理に使いたかったんだけど、実装が間に合わなかった。

    リモコンで動かすときは、ゲーム機のコントローラーをつなげる。

    ■制御の仕組み

    制御については、GPS装置と、その後ろに黒くて丸く出っ張っている電子コンパスで、

    広範囲な全体の中での位置と姿勢を割り出す。GPSの情報で得られるのは、

    緯度と経度だけ。それを距離で表された位置情報に変換する。

    レンジセンサでは前方270度の角度を認識できるできるけど、

    通常は40度の範囲で見ている。

    遠くから障害物を認識している場合は前もって避けようとするけど、

    直前に出現した場合は後退する。

    レンジセンサは2台あって、下ので前方を、上の斜めので地面を走査している。

    GPS が使えないところでは車輪の回転数を割り出すエンコーダで、

    現在地を把握する場合もある。

    電子コンパスは、そこそこ安いものを購入。うん十万円の高いものは、

    反応が速いけど、これは速い動きが苦手。

    GPSも、複数の衛星の位置関係により、精度がかなり変わってくる。

    真上に複数あれば、ビルの谷間でも位置が分かるけど測量の精度は落ち、

    広範囲に広がっていると測量の精度は上がるけど周囲の建物や樹木に

    妨害されやすくなり、いわば二律背反みたいなところがある。

    それなのに、いわゆるカーナビの精度がかなりいいのはどうしてだろう。

    参加している他チームの人がみんな、電子コンパスについて

    「これは何?」と質問してくる。まだ珍しい。電子コンパスと

    GPSの二つがこのロボットの位置と姿勢を知るためのメイン。

    弱点は雨。回路に入ってしまっては困るし、水滴が付着すると

    レンジセンサに影響する。夕日などの日光も影響するかもしれない。

    レンジセンサは、地面の溝の認識がまだうまくできないときがある。

    地面から立っている壁はOK。

    それと子供など、人に進路をふさがれると、進めない。



    ■つくばチャレンジが始まる

    ついにつくばチャレンジが始まった。筑波の空は快晴。風もない。

    1番目の走者は、スタートに失敗。

    スタート!って司会者(=スターター)に言われても、

    まったく動かないチームも多数あるし、動き出しても、

    5m進んで、公園に出るゲートにつっこんでリタイアするロボットもいくつもある。

    完走するチームが出るたびに「○○チームが4分24秒で完走しました」

    のように場内にアナウンスされる。時間を競っているわけじゃないのに。

    二輪走行、とくにセグウェイが注目を集めていた。東北大学だったか。2番目の出発だった。

    (つづく)

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